先日より結構難儀な車両ですが、方針をオーナーと相談し、乗せ変えた素性不明のエンジンで行こうという事になりました。
そりゃね、フルOHしてあげたい所ですが、変にムキになるよかポイントを押さえて、次期エンジンを並行して作って行った方がよさそーな感じなもんでねw
で、取り敢えず載せ変えたエンジンにオイルを入れます。
うちではめったにフラッシング剤を使いません。
ま、理由はあえて書きませんがね。
でも、汚すぎる!!!!
試しにタペットカバー開けた時にオイルの色を見ると乳白色。
ロイヤルミルクティーが入ってました。
キックインジケーターの穴も裏から塗ったかのように真っ白。
キックいつでもOKよん?の合図かと思うくらい。
で、フラッシングを5分+5分。
数日置いてまた5分。
やりすぎか?と思ったけど、まあ走行負荷掛けてるわけじゃないし平気だろう。
で、オイル交換して終わり~とは行かずw
長期保管でクラッチ張り付きかと思いきや、クラッチ握っても全然反応なし!
無理やりワイヤー調整してもなんか感触がおかしい。
張り付きってこんなんじゃないぞ!?って事でクランクケース開けてみました。
あ。これ洗浄後の写真だ。
ケータイ汚い手で触りたくないもので撮り忘れてますwww
ま、イメージ・イメージ。
きったね~!!!
乳白色とドスグロイ(黒くてグロイ)塊、、、
本当はエンジン開けてOH!とイキタイガ、、、
このエンジンに掛けるのももった無い。
で、簡易洗浄してみます。
オイルパンも外してね。
で、いよいよ患部を見てみますか。
プレート外してみるも綺麗なもんです。
固着なし。
妙な削れもなし。
やっぱりプッシュロッドかあ。
車体傾けて「ころ~ん」とね。
あれ?
君はそんなドリルみたいな形だっけ???
いかにも穴を拡張する為に、ドリルに装着できる姿じゃないか!!!
一方通行の愛だな。愛。(意味不明)
折れてたんですわ。
折れてんの。
折れ。
俺も折れそうです。
で、エンジン車体に乗っけたまんまだったので、簡単に横にも出来ず、折れてる先が出てこない!!!
エンジン固定外して傾けるか、、、と思ったが、、、
力技!!!
1.まず周辺の工具を片付けます。
2.クラッチハウジングを養生します。
3.バイクを左側からドロップキック!!!しないでゆっくり倒します。
4.死体発見!!!と叫びます。
5.110番!!!しないでプラハンにタオルを巻いてやさしく叩きます。
出た!
「やっと会えたね!!!」
「もう離さない~!」
と聞こえた気がしますが、残念ながら彼らは二度と一緒になれません。
覆水盆に帰らず。
折れプッシュロッド元に戻らず。
です。
で、ドナーから抽出された臓器を移植。
スプリングも規定値だったので再利用。
ボルトを規定トルクで締めて今日はおしまいデス。
ちょっと小技を使って長持ちしてもらいましょうね。
って、本当にこのバイク、、、
呪われてる!!!って思いましたが、オーナーが川崎大師で御祓いしてもらったようなのでこれ以上の不具合は無いと信じましょう。
ま、ブログの読者さんは「コレくらいなら別に普通じゃん?」って思うでしょ!?思うでしょう。
違うんだな~。
すっげえ続いたのですの。
ですの。
ま、ご来店いただいているお客様には馴染みの車両でしょうけどねw
オーナーさんはSR禁断症が出ていたようなので、うちの6号機を試乗してもらいました。
「うわ~。これいい!!!コレ欲しい!!!」
はい。買ってください。
お願いします。
なんならもう一台作ります。
でも、やっぱりオーナーにしかない愛着というものがあるんですね。
半死半生のSRちゃんを生涯掛けて愛するそうです。
うん。そのほうが良いです。
愛情掛けなくなるとSRちゃんは拗ねます。
そして、久しぶりのデート先で急な別れを告げられます。
あなたはSRを選べますが、SRちゃんにはオーナーは選べないのです。
だからちゃんと愛してあげてください!!!
鼻の下伸ばしてる場合じゃないですよ!!!